笹ノ丘学園〜若者よ、恋をしろ〜
* 山田綾乃
春樹から『俺ん家集合』のメールが来てから1時間経つ。
だるい体持ち上げて、やっと神山家前。
いつもみたいに勝手に入るあたし。
2階のキッチンまで行くと春樹と雛乃がいる。
「お久〜〜〜!」
あたしが言うと、『綾乃〜ぉお!』って猛烈な歓迎。
あんたとは春休み何回か逢ってるでしょ、なんて思いながらも嬉しかったりした。
「つか、春樹あんたアメリカ行ってたとか聞いてないって。連絡しても返事ないから死んだかと思ってたんだけどー。」
「…言ってなかったっけ?んま、いいじゃんいいじゃんおみやげ買ってきたし?」
「まぁ、おみやげ買ってきたんなら許すよね。てか髪色、マジ似合うわ!」
「だろっ!」
そう言ってあたしにペットボトルを2本渡した。上に持ってけ、ってことか。
あたしは雛乃がコップを持つのを確認してから3階にあがる。
いつものことながらこの家、広すぎるわっ。
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