笹ノ丘学園〜若者よ、恋をしろ〜
ざわざわしてた体育館が静かになったと思ったら、沢山あったパイプイスがほとんど、人でうまっていた。
あらためて、気持ち悪い人数の新入生だ。
それから少し経って、校長先生の短い話が始まる。
この人、お金と暇を持て余してる大富豪だとか。
実は石油を作れるとか作れないとか。
実はパチンコのプロだとか‥。
いろんな噂がある。
本当にすぐ、校長先生の話は終わって
次は恒例の教頭の面白くもない、長い話が始まる。
舞台の上に上がって、赤い眼鏡を右手の人差し指でなおす。
笹ノ丘学園の生徒なら、きっと誰でもモノマネできる。
教頭はまず、部活の話をする。
この学校、部活に力を入れているらしい。
教頭が言うには、野球部、バスケ部、サッカー部、卓球部、陸上部、アメフト部、吹奏楽部、茶道部が全国に行ったことがある、らしい。
茶道部は教頭が顧問をしているせいか、『茶道』の言葉だけが耳に響く。
やっと部活の話が終わって、クラスの話をしだす。
この学校、クラスによって偏差値が変わる。特殊な学校だ。
笹ノ丘学園の中等部は『馬鹿』ばっかり。
高等部は『馬鹿』と『天才』に別れる。
なんでそーゆーシステムなのかは知らないけど、とりあえずA、B、C組は天才の集まり。
D、E、F…って
どんどん偏差値が下がっていって、
最後のクラスのL組は、ただの馬鹿の集まり。
そんな風にクラスで頭の良さが分かる。
それで、やっと教頭の長い話が終わってクラス分けの紙が配られる。
…オイ、こんな人数いんのに自分の名前見つけられる訳…‥
あ。
あった。
L組
23番、富田雪斗
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