笹ノ丘学園〜若者よ、恋をしろ〜
「ハルちゃん!!!席替えしてほしいよー!!」
号令が終わってすぐ俺の近くに来た朝日奈。
そんな雪斗が好きか。
「ちょっと黙ってたら席替え考えるからとりあえず黙れ。」
そう言ってみると、両手で口を抑える。その姿はまるで幼稚園児。
ただの馬鹿正直者だ。
「雪斗ー、ちょっと来ーい。」
「あぁ?なに、」
だるそうに後ろの席から歩いてくるイケメン男。まぁ俺には負けるけどな。
「コレ、春樹に渡しといて。それだけ。」
今日こなかった神山春樹の分のプリントを渡した。どうせ今日も逢うんだろう。
「あぁ。」
素直にプリントを受け取る雪斗。その姿がなんかしんねーけど、男の俺でも『かっこいい』って思う程だった。
うん、素直にそのかっこよさムカつく☆
「…あ、ついでにコイツ、ずっと黙らせとけ。」
そう言って朝日奈を指差す。
「はぁ?無理だろ」
ちらっと朝日奈を見た雪斗は即答した
「‥キスでもすれば思考回路ショートだろ。んじゃ、頼んだわ。さいなら〜。」
「はあぁ?‥あ、ちょっとオイ!!…」
…なんだ。
やっぱクールなコイツでもあせったりすんだ。
返事なんて聞こえないフリで教室を出た。
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