俺様彼に恋をしました。





今気づけば次は移動教室。

机に紙が置かれてた
見覚えがある斜めの子から回ってきた可愛い紙


開くと
後で教えろよ
って不器用な字



くしゃくしゃに丸めて
ジャージのポケットに突っ込んだ






まぁ、うるさかった
とにかくうるさかった


移動教室はクジ引きで決められてて私と山本は離れてるのに誰?とかひっきりなしに聞いてきた


移動教室が終わって重い溜息を1つ溢す。




「どうしたの…?
由佳…山本、うるさくない?何話したの?」





皆がきっと疑問に思ってることを親友が聞いてきただけ

私の親友、東上緋理と奥山真由はうちに訪ねてきた



私はあきれ半分に一言で答えた





「バレたの
付き合ってんの」



「嘘!!
拓也くんと!!?」



「声デカイっつうの!!!」





ごめん…って謝る真由

ちらっと山本を見たけど別に気づいてはいないみたい

ほっと胸を撫で下ろすと緋理が口を開いた





「このまんまじゃ何回も聞かれて他の塾の子に聞かれるのがオチだよ

あんたもヤダでしょ?
拓也くんがそのせいで傷ついて別れんの」





確かにやだ
別れんのも傷つける姿を見るのも


私は下を向きながら小さく頷いた





「でもさ、それじゃどうすればいいのさ」



「言っちゃえ!!!」



「…は?」



「名前、言っちゃいなよ!!
そうやって伸ばすから聞きたくなんのよ!!!

だからいっそ、バラして終わりでいいじゃんか!!!!

そうすればあっちも聞かなくなるよ!!!」





ね?って向けられた笑顔に
難しく考えすぎてた私が笑えてきた





「そうだね!!

ありがとう!!!!」





お礼と共に流れたチャイムの音に私は二人のもとを離れた。






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