腕挫十字固-うでひしぎじゅうじがため-
「あ、あの軽トラ動くんだ」

 時弥が呑気に感心する。

「あいつら……ガキの火遊びじゃなさそうだ」

「え?」

 杜斗がつぶやき、彼が見つめた先に視線を移す。

「うそ……」

 そこには別に2人の男がいて、その男たちに挟まれるように1人の少女が震えて立っていた。

 後ろ手に縛られている事が窺える。

「あちゃ……」
「こいつはまずいな」

 どうやら思っているよりも大きな事件になりそうな予感がした。
< 15 / 66 >

この作品をシェア

pagetop