腕挫十字固-うでひしぎじゅうじがため-

*思案中

「……」

 その様子を見ていた杜斗は冷静に分析する。

 少女を連れてきた男2人は20代後半くらいだろう。ガキ3人が慕っているようだが暴力団系とも違うようだ。

「慕っている」といえば聞こえは良いが、どちらかと言えば「使われている」に近い。

 杜斗は小さく唸った。

 あの3人だけならさして問題ではなかったが……あの2人には少し注意が必要だと感じた。

 少なからず、まったく闘い慣れしていない訳でもなさそうな感覚がある。

 とはいえ日本での闘い慣れなど知れている。相手が本物の銃を持っていたとしても勝てる自信が杜斗にはあった。

 そんな自信が何故、彼にはあるのか──実は杜斗は10歳頃までアメリカで暮らしていた。

 友人の父親が米軍の兵士で杜斗に戦闘のノウハウを教えていたのだ。
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