腕挫十字固-うでひしぎじゅうじがため-
「格闘技や体力はあとから鍛えればいい」

 そう言って杜斗に色々な戦闘や格闘の技を教えていた。

 もちろん彼のためではない。単に自分の知識をひけらかしたかっただけだ。

 ある意味、はた迷惑な話だが杜斗は従順にその学びを吸収していった。

 そうして日本に帰国し今は自衛隊に入隊している。

 帰国子女は異性にモテる。が杜斗は愛想の良い性格ではない。

 アプローチする女性に優しくなど出来るハズもなく、大抵は嫌われて終る。

 別に自分からすり寄った訳でもないのに嫌われるというのは押し売りに近い。

 話が逸れた感はあるが……とにもかくにも杜斗の自信は単なる勘違いや思い込みではない事だけは解っていただけただろうか。
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