腕挫十字固-うでひしぎじゅうじがため-
「うるさいわね」

「あんたに言ってない」

「!」

 冷たく言った時弥に理絵はムッとする。

「覚醒剤がどれほど人を苦しめるものなのか知ってるのかい?」

「う、うるせぇよ……」

「これは人を内側から破壊するものなんだ。人としての尊厳や権利なんか無視されるんだよ」

「だからなんだってんだよ……」

「時弥……」

 杜斗は小さな声で時弥を呼んで目で合図した。

「!」
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