腕挫十字固-うでひしぎじゅうじがため-
「……」

 しばらくの沈黙が続く──

「!」

 しかし、その耳に微かにサイレンの音が聞こえた。

 それは徐々に近づいてくる。

「この音……」

「警察車両のサイレンの音だ」

「!? パトカー!?」

 杜斗と時弥の2人以外は一斉に青ざめた。

「どうやら」
「助かったようだな」

 時弥は技を緩めて微笑み、杜斗はそれを見下ろして同じように笑った。
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