腕挫十字固-うでひしぎじゅうじがため-
「これからよろしくね」
「なに?」
言われて杜斗は立ち止まり振り返った。
「だって同じ駐屯地だもの」
「……」
杜斗は応えずに顔を元に戻して再び駅に向かう足を進める。
しかし心の中では複雑な心境だった。
こいつと同じ駐屯地……なんだか嫌な予感がしてならない。
俺は無事に自衛隊員として生きていけるのだろうか?
駅のホームでかすれた雲の流れる空を杜斗は見上げた。
END
*今回はちょいと強引に進めてみました。
うん、これはこれで書いてて楽しかったです。
最後までお付き合いくださった皆様、ありがとうございます。
2011.4.22 河野 る宇