あんたとあたし。



「留衣は絶対橘龍、連れておいでね~。」






 小柄で大声なあたしの親友は、彼氏とMAXハイテンションで帰って行った。


 ・・・行かないよ、あたし。



 家に帰ると、なぜか祥志がそわそわしていた。


 リビングを出たかと思えば、玄関に向かい、すぐに帰ってきて、ソファーに座る。

 5分もしないうちに立ち上がって、キッチンに向かい、何もしないで戻ってくる。



 そんな行動がかれこれ1時間。

 時計は夜の10時を指していた。



「祥志、面倒臭い。」


「なんでお前はそう普通で居られんだよ。」


「いや、結構イライラしてるんだけど。」


「な、なんでっ?!」


「そりゃ、どっかの誰かがそわそわしてるから?」


「そうか~、お前も悩みごとあんだな。」


「あ~、もう話しかけないから。」



 あたしは腕組みをした祥志を手で払うように追いやった。

 祥志はばつの悪そうな顔をしてリビングを出て行った。

 
 ・・・5分もしないうちに戻ってきたけど。



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