あんたとあたし。
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Ⅳ
「はぁ―――っ。」
さっきから指定された店の前で入ろうか、入らまいか、行ったり来たりを繰り返すあたし。
町の中心街を少し行った裏通りにある、居酒屋。
料亭みたいな感じで、きれいな外観のその店には、「料龍」と彫られた看板がかかってた。
あたしみたいな子供が入っていい感じには見えなかった。明らかに。
入りにくいとかそういうのじゃなくて、雰囲気的に?年齢的に?
今夜は、そう。彩が行けといった、あたしの苦手な従兄が組んだ、合コン。
学校から、家にも帰らずにそのまま着たから制服のままだし。別にいつもよりもメイクを頑張ったわけでもない。
なんだか、申し訳ない気分になって、入れない。
「あーもー。帰ろ。」
わけわかんなくなって、来た道を戻ろうとしたら。
「あ、留衣ちゃ~ん。」
「・・・げ。」