あんたとあたし。
Ⅴ
「へー、橘龍が。」
「普通の男子高校生だった。」
あの合コンと呼べない合コンから、何日か経った平日。
放課後の修を待つ時間、橘龍の話題が出た。
「てか、留衣、進歩したね、あんた。」
「それ、あたしも思った。」
二人、腕組みして考えた。
ありえないんだよ、そもそも。
あたし、人見知り激しいし、まして嫌いな人種の男じゃなかったっけ。
オカマは許せても、男は許せなのに。なんで話せたの??
「あたし、めっちゃ、不思議で仕方ないんだけど。」
キャラメルを取り出しながら言う。
「本人が不思議なこと、友達のあたしが不思議じゃないわけないでしょ。」
・・・確かに。