あんたとあたし。





 携帯の画面をあたしに向けて、目に涙浮かべて笑ってる。

 向けられた画面の中には、ベンチの上で胡坐掻いて、腕組んで、首を傾げるあたしがいた。そのバックにはサッカー部と野球部が練習している姿が。


 どう考えても、おかしなあたしを、写メった彩はまだ笑ってる。
 明らかに、おかしいし、自分が写ってるのにおかしいけど、自分で見てもおかしい。


「あたし、これ、待ち受けにしよーかな。」

「なに言ってんの、やめてよ。」


 って彩の携帯を取り上げて腕を上にあげた。


 あたしの身長は163cm。彩は152cm。当然のように届かない。

 必死で手を伸ばす彩をメインに、あたしは携帯を構えた。

 彩がジャンプして、携帯を手にした瞬間、携帯の中心のボタンを押した。


【カシャッ】


 「ナイスショット~」

 音符が付きそうなぐらい、ルンルンで言った。


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