あんたとあたし。
Ⅷ
いつもより、薄めにベーシックなメイクをして、ウォータープルーフなんかで張り切っちゃって。
学校指定の黒いジャージの裾をなれたように折って、適当に選んだTシャツから伸びた腕や折ったジャージから見える足、首や顔に日焼け止めを塗った。
遠足に行く小学生、いや、幼稚園児並みに張り切って、フード付きの青いパーカーを羽織り、外に出た。
「あたし頑張ってくる。」と歩きながら彩に向けたメールを作成。
一瞬考えて、分を付け足す。
「なるようになったから。」とVサインの絵文字を付けて送信した。
いつもとなんか比べものにならないくらい、人のいないバスに乗って、駅まで向かう。
改札を抜けて、ホームに降りて、すぐに電車に乗れた。
ゆらゆらと揺られながら、気が付けば目的の駅。
改札を出ると、どこかで見た背中があった。