初心者レンアイ(仮)
◆第1話◆
私、ツンデレ?
「最高点は、今回も中山の98点だ。」
1年A組の教卓の前で教師が言った。
その言葉に対していつもの如くスゲーとか、ヤベーと騒ぐクラスメイトに軽くため息をつく。
私、中山紗枝は、何時も学年で最高点を叩き出す優等生というレッテルを貼られていた。
ただ、少し成績がいいだけなのに…
そのレッテルのせいで近寄りがたいことと、人と会話する時うまく対応出来ない性格が相まって、恋人は愚か友達すら少なかった。
「流石じゃん、紗枝。頭半分分けてよ〜。」
ただ一人の親友、船津千夏ちゃんが後ろでボヤいていた。
点数が悪かったらしく机でうなだれている。
「千夏ちゃん、テスト期間中内海くんとデートしてるからだよ。」
私は、半ば呆れ顔。
「だって久しぶりだったんだもん。哲士部活で忙しいし。」
「一年でエース候補なんでしょ。すごいじゃない。」