初心者レンアイ(仮)
◆第2話◆

流れた涙


「ふ〜ん、紗枝がねぇ。」


千夏ちゃんがコーヒーカップを片手に言った。


「もう、からかわないでよ千夏ちゃん。」


恥ずかしくって、手をブンブン振る。」


「からかってる訳じゃないわよ。やっと自覚したのかって思っただけ。」


「え…?」


何の事か分からずに、目をぱちくりさせた。


「あたしさ、思ってたのよね。紗枝が『私ってツンデレ?』って聞いてきた時から。」


「どうして?」


少し間を置いてから、千夏ちゃんは言った。



「だって、紗枝の口から男子の名前が出るなんて珍しいから…。」



コーヒーを啜る千夏ちゃんは何だか嬉しそうだった。


「応援してるから、頑張りなさいよ。」



その言葉に、私は首を縦に振る。


千夏ちゃんは、そんな私に親指を立て、笑った。

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