初心者レンアイ(仮)
と言っても、問題がまだ残っていた。
あれから私、広川と話をしてない。
あの日、ちょっと言い過ぎちゃったかもと思っていたところ。
謝るタイミングが欲しかったけど、休み時間は女の子に囲まれてるし、なかなか掴めない。
そして、やっと掴める時が来た。
放課後の委員会の時間だ。
「ごめん。」
謝って来たのは、広川の方だった。
「冗談でも言っていいことと悪いことがあるよな。本当にゴメン。」
私も謝ろうとしてたものだから、拍子抜けしてしまう。
「別に広川は悪くないよ。そう言われて嬉しい女子の方が多いと思うし…それに、私こそゴメン。最低なんて言って。」
そして、怒り口調でもう一言付け加える。
「喧嘩両成敗ってことでいいでしょ?」
その言葉に、広川は笑って頷いた。
その笑顔が嬉しくて、私も笑った。
もっと広川の笑顔が見たいって思ったのは…
恋をして、私がよくばりになったから?
とりあえず今は、広川の横で笑っていられること。
それだけを、願っていた。