初心者レンアイ(仮)
昼休み…
「えっ…手を握られたぁ?!」
あわてて千夏ちゃんの口を塞ぐ。
「声おっきいよ!!」
私は小さい声で言った。
「それで、どういうシチュエーションだったのよ?」
千夏ちゃんは興奮気味にに聞く。
私は昨日の出来事を、広川の事情を隠しながら簡潔に話した。
その話を聞き終えた千夏ちゃんは、ため息をついた。
「それは、恋愛がどうとか関係無いんじゃない?」
「え?」
予想外の千夏ちゃんの言葉に、身を乗り出す。
「だって、落ち込んでたんでしょ?側に誰かがいてほしいって思うのは普通だし、流れから握ったっていうのもあり得なくは無くない?」
聞いて、ちょっぴり納得してしまう。
「紗枝は恋愛初心者だもんね。そういうのにも疎いのも仕方ないか。」
話を聞いてて、だんだん分かって来た。
…全部私の勘違い?!
勘違いしていた恥ずかしさと、ショックとで、私は頭を抱えた。