初心者レンアイ(仮)
それぞれの心
そして、放課後の委員会の時間。
……。
なんだか、空気が重い。
私が話しかけても、広川は生返事しか返して来ない。
…なんか、私が怒らせるようなことしたのかな。
そう思っていた時だった。
「…筒井と仲良いの?」
黙りこくっていた広川が急に口を開いた。
「え…?健吾くんには、数字を教えたことがあった位だよ。」
更に広川はムッとする。
「ふーん…名前で呼んでるんだ。」
ジト目を向けてくる。
「う、うん。そう呼んでって、健吾くんが言ったから…。」
広川の意味不明な言葉に戸惑いながら答えた。
「ま、別にどうでもいいけど。」
広川の台詞に、ズキンと胸がいたんだ。
広川が私のことなんてどうでもいいなんて分かってたけど、真正面から言われるのって辛いな…。
私は目を伏せる。
そう思っていたとき、ガタッと広川が立ち上がった。
「トイレ行ってくる。」
「うん…。」
そのまま広川は教室を出ていった。
「…何イライラしてんだ、俺。」
広川の言葉は、私には聞こえなかった。