初心者レンアイ(仮)

「え…。」


「広川が、手を繋いできたこととかあったでしょ。あとは避けられてた事とか…私、恋愛の事とかよくわからなくて健吾くんに相談してたんだ。」



恥ずかしくて、そっぽを向く。



「…つまり、中山も俺の事意識してくれてたって事?」



ああ、もう。
何でそんなにストレートに聞いてくるのかな。



「そうじゃなくて…なんて言うか、その…広川に嫌われてたら嫌だなって思ってたって言うか…。」



広川はいつの間にか嬉しそうに微笑んでいた。



「嬉しい。中山も俺の事好きだったんだ。」



私は慌てた。



「えぇっ…好きとか私、言って無いよ!!」



「相変わらず、ツンデレだな。」



おでこをピンっとつつかれた。



「俺は紗枝のそういうとこ、好きだよ。」



名前で呼ばれたのは、初めてだった。



「紗枝は俺の事、好き?」



広川は、分かってるくせに聞くんだ。





「好き。」




心の中は、広川のことでいっぱいになっていた。



その瞬間、落ちてきた唇。



さっき健吾くんにされたものとは全然違う。
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