初心者レンアイ(仮)
嫌じゃない。むしろもっとしてほしい。
私、やっぱり広川が好き。
好きな人にされると、こんなにも幸せなものなんだね。
「…これが、ファーストキスってことで。」
いたずらに笑う広川。
「なあ紗枝、柊って呼んで。」
恥ずかしい。でも、もうそんなことどうでもよかった。
ただ、今目の前にいる男の子だけを感じていたかった。
「柊。」
そして、もう一度唇が重なった。
今日は、いろいろなことがあった。
初めて告白されて、初めてサボって。
本当に大好きな人と両思いになって…
『屋上』で、ファーストキスをした。
人を好きになることは、傷付いたりすることだってある。
だけどこんな幸せがあるから、人は人を好きになるんだね。
そんなことをぼんやりと考えながら、私達はしばらくの間、屋上で抱き合っていた。