初心者レンアイ(仮)
次の日ー…
私はイライラしていた。
何よあの人…自分が好意持たれてるとでも思ってるの?
釈然としないまま放課後になり、再び委員会の時間がやって来た。
「委員長ー、今日パソコンにデータ打つん?」
ガラガラと乱暴にドアを開け、広川くんが教室に入って来た。
「うん、そうだけど…。」
「じゃ、パソコン室行ってくるわ。」
広川くんはきびすを返そうとした。
あ…
私は今しか言うタイミングがないと思い、背を向けている広川くんに言った。
「あのっ…広川くん!」
「ん?」
広川くんがこっちを向く。
「私、ツンデレじゃありませんから!」
とたんに広川くんは目を丸くする。
「なんの事?」
頭の上にクエスチョンマークを浮かべたように広川くんは言った。
「昨日、私の事ツンデレって言ってたじゃない。私、その時はそんな意味だとは知らなくて…調べてみたら、その…。」
プッと、吹き出す音が聞こえる。
「まだ気にしとったん。しかもわざわざ調べたと?」
ニヤニヤしながら聞いてくるものだから、私は恥ずかしくてうつむいてしまう。
「気にしてたわけじゃないけど…ただ、どういった意味か知りたかっただけで…。」
すると彼はニコッと笑ってドアの方へ向かった。
「そーいうのをツンデレって言うんやけど。」
…っ!?
「そいから広川『くん』は止めん?同じ学級委員なんやし。」
そのまま広川くんは教室を出ていった。
私は呆然として、何も言い返せなかった。