初心者レンアイ(仮)
「くそ…生意気な。でもまあ、確かに可愛いじゃん。名前、何て言うの?」
柊の先輩らしき人は、私に目を向ける。
私は可愛くないですけど。
「彼女は中山紗枝ですよ。」
私の代わりに広川は言った。
「俺は石田大貴。広川の先輩だ。石田先輩って呼んで。」
短めの髪をガシガシと無造作に掻きながら、その人は言った。
「はい、石田先輩。」
私がそう言うと、石田先輩は軽く笑った。
柊の先輩で、仲良さげだし…いい人そう。
私も、その笑顔につられて笑った。
「さて、ウォーミングアップするぞ。」
「はい!!」
石田先輩の一声で、柊達は一気に切り替わった。
観客も増え、ウォーミングアップも済んだ頃。
…試合が開始された。