初心者レンアイ(仮)
「ところでさ、委員長何でいつも髪下ろさんの?」
ステーキとメロンソーダという驚愕の組み合わせを口に運びながら、広川くんは言った。
「別に下ろす意味ないから…。」
「あーもー、紗枝。そういうところがツンデレって言われんのよ。」
もじもじする私を、千夏ちゃんはフォークで指しながら言った。
「やっぱ船津も思う?俺も思いよったわ。」
変なところに同意する広川くんを恨めしく思う。
一番最初にそう言ったの、広川くんだって。
「それより広川。ずっと気になってたんだけど、あんた何で関西弁なのよ。」
今度は広川くんをフォークで指しながら千夏ちゃんは言った。
「確か、中学まで関西の方に住んでたんだったよね。」
内海くんが広川くんに問いかける。
「そうそう。兵庫の方に。」
へらへら笑う広川くん。
「え、高校からこっちに来たの?」
驚いて思わず口を出す。
「そーゆーこと。親の都合なんやけど。」
先ほどのようにへらへら笑う広川くん。でも、なんだか少し寂しそうに見えた。