【S・S集】25時〜溢れた時間〜
ある日の夕暮れ。
あからさまに怪しい男があたしの前に現れた。


その男は何も言わずに、しゃがみ込み辺りを伺う。誰もいないことを確認すると、いきなりあたしを襲い出した。


乱暴に、何度も何度も出し入れされた。
必死に抵抗するあたし。


下手くそな男のせいで、ボロボロにされていく。


もうダメ!
意識が、遠のいていく予感。


その時、エレベーターの扉が開く音。
男はあたしを諦め、急ぎ足で立ち去った。


ホッと一息。
ボロボロにされちゃったけど、あたしはここを守りきれた。


もうそれだけで十分。
別れを覚悟しながら、彼を待つ最後の時間。


彼が帰ってきた。いつものようにあたしに触れる。
異変に気付いたのか、彼の顔色が変わるのが分かる。


「チクショウ! やられた!」


怒声をあげ、どこかに電話を掛けている


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