【S・S集】25時〜溢れた時間〜
「よし、今日から新しい生活の始まりだ」


彼はあたしに手を掛けて、引っ越したばかりの新居に入る。
仕事に忙しい彼とはあまり一緒にいられないけど、彼の留守を守るのがあたしの役目なんだ。


ただ、おとなしく家で待つだけ。
寂しくないと言えば嘘になるけど、優しい彼には満足してるの。


それにね、初めての人なんだ。
彼もね、緊張していたと思うの。最初はゆっくりと、でも一番深いところまで差し込まれたんだ。
あたしって、感じやすくて少し捻られただけで、声をあげちゃった。


それからずっと、彼が出掛けるときと、帰ってきたときには必ず相手をしてくれるんだ。


幸せを感じる瞬間。あぁ、必要とされているんだなぁ。


でもね、そんな幸せは長く続かないんだよ?必ず終わりは来るんだ。あとは早いか、遅いかの差だけ。


あたしの場合は、それが少し早かっただけだもん。




< 9 / 12 >

この作品をシェア

pagetop