闇華
女の子はぽつり、言葉を零した。
闇に打ち消されてしまうような声で。
「わたしが死んだら、お兄ちゃん治る?」
「うん。」
「嘘じゃない?」
「うん。」
「じゃあ…………………………………死ぬ。」
ずしん、と胸になにかが響いた。
あたしは、女の子の首に手を伸ばす。
カタカタと女の子は震える。
あたしは、女の子に微笑んだ。
「大丈夫、君はあたし側の人間になるだけ。お兄ちゃんにはまたあえる。まあ、拒絶されるかもしれないけれどねぇ。」
キュッと両手に力を込める。
流れ星が、ピュッと流れた。
女の子が、光が、星のように
消えた。
「あ」
星が綺麗だ。