闇華
月がケケケとでも笑うように三日月な形を更に三日月にする。
だいぶ、時間が経ったはずなのにメロナは見つからない。
俺の体調はもう、完璧に治ってしまったようで…この調子ならメロナばかりに家の仕事を手伝わせなくて済むな、と思った。
村のどこを探しても、メロナは見つからなかった。
三日月が段々姿を隠し始める頃、俺はある場所に近づいた。
そこは、村の中でも一番危険が多いとされる禁断区域だった。
「……。」
俺は禁断区域に足を進めた。
―…
禁断区域の森を何事もなく抜けると綺麗な夜空が俺を迎えた。
ひとりの少女が草原に横たわるのを見つけて少女に駆け寄る。
「…!メロナ?!」
仰向けにして顔を確かめようとする。髪が顔にかかりよくわからなかったので髪を払う。
――…そして、息をのんだ。