闇華
「お、にぃちゃん?」
メロナは嬉しそうに、それは嬉しそうに…俺に駆け寄る。
こうすると変わったのは見た目だけで中身はメロナだ。
だけど―…
「ち、近寄るな。」
俺は本能的にメロナを拒絶した。
ああ、これだけはしたくなかったのに。
メロナが悲しむのを分かっているのに…だめ、だ。
怖い、下手すれば俺は殺されるかもしれない。
メロナだからって、安心は出来ないのだ。
せっかく取り留めた命。
コンナトコロデステラレナイ。
「あーあ、キミつまらないねぇ。」
メロナが悲痛に顔を歪ませるのを見ながら、どこからか聞こえてきた声に不安を覚えた。
「…っ、誰だ?!」
「は?誰だって…そんなん…教える訳ないじゃんかあ。」
星がキラキラと光る。
なぜだかわからないけれど、綺麗なはずの星が俺を睨んでいるように感じた。
警報、俺は危ない。
命が惜しい。
「だーから、その命。誰から救われたと思ってるのー?」
えぐえぐとメロナが泣く。