闇華



「お、にぃちゃん?」



メロナは嬉しそうに、それは嬉しそうに…俺に駆け寄る。
こうすると変わったのは見た目だけで中身はメロナだ。


だけど―…


「ち、近寄るな。」


俺は本能的にメロナを拒絶した。


ああ、これだけはしたくなかったのに。
メロナが悲しむのを分かっているのに…だめ、だ。
怖い、下手すれば俺は殺されるかもしれない。
メロナだからって、安心は出来ないのだ。
せっかく取り留めた命。



コンナトコロデステラレナイ。


「あーあ、キミつまらないねぇ。」



メロナが悲痛に顔を歪ませるのを見ながら、どこからか聞こえてきた声に不安を覚えた。


「…っ、誰だ?!」


「は?誰だって…そんなん…教える訳ないじゃんかあ。」


星がキラキラと光る。

なぜだかわからないけれど、綺麗なはずの星が俺を睨んでいるように感じた。


警報、俺は危ない。


命が惜しい。



「だーから、その命。誰から救われたと思ってるのー?」


えぐえぐとメロナが泣く。







< 20 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop