闇華
頑丈な玄関をくぐり、中へ入ると中は真っ白だった。周りの雰囲気とは全く違う。
理由は簡単だ。自分の存在がはっきりとするからだ。白の中に闇の自分がいるなんて考えただけで吐き気がする。心が浄化していくみたいで、やだね。
「ボスはこちらです、アルミス様。」
真っ白い肌をした男があたしを見ながら頭を下げる。
「アルミスさんってえらい方なんですか?」
「そんなことはないねえ。ただちょいと顔が利くだけだよー。」
自動で開く扉にあたしは少しばかり身を堅くする。堅くするといっても本当に少しだけれど、
「やぁ、アルミス。」
ああ、いやだなぁ。あの鋭い目。あんたは狐か。
「ごきげんよーう。」
「え、アルミスさ…」
メロナはあれだろーね、えらい人にそんな態度でいいの?!とか思ってるんだろうけど。
ま、血がつながっているんだから、いいんだよねぇ。
「その子、どうした?」
「拾った。あたしのだからあげないよぉ。」
冷え冷えスマイルを出すあたし。こいつは嫌いだから、しょうがないしょうがない。