闇華
「ふーん、名前は?」
「んー、メロナちゃん。名前変えるけどねぇ。」
「え!?名前変えるんですか?!」
あーあー、耳がキーンてなるからやめてやめてー。
「そうだよー、メロナは最初光だったんだからねぇ。光のことは段々忘れちゃうんだから。」
「…え?忘れる…?」
理解が遅い子だなぁ、こっちきたら忘れちゃうんだよー。忘れたくない、あっちの記憶は全て、ね。
「へぇ、闇墜ちしたのかお前。…まだ光っぽいけど。」
「まだ、なったばかりだからね。それより、なんか用?こう見えても忙しいんだよねー。あたしも」
「ああ、いま反乱起こしてる奴らいるだろ。そいつらを牛耳(ギュウジ)ってる奴がわからないんだ。てことでアルミス、探してきてくれないか?あー、なんかあっちの世界で遊びまくってるらしい。」
「はぁー?あたし忙しいって言ったよねぇ。メロナの面倒も見なくちゃだし、あ、そーだ。あんたの部下にでもやらせなよー。よし、解決解決。いくよー、メロナ。」
あたしは舌をかまないように早口に言葉をつらつらと述べると、白ばかりの部屋を素早く後にした。扉を閉めるときクツクツとのどの奥で笑ったような声が聞こえたけど、聞こえないふりをした。