闇華
「メロン。」
自分はどうしたらいいかと焦っているメロンを呼ぶ。
「はぃ!」
ピシ!と直立になるメロン。あたふたしてて可愛いねぇ。小動物みたいだ。まあ、あれかー。小動物が、どうなるかたのしみだねー。
「あたふたしてないで、ソファーに座りなよ。」
「あ、うん!」
「ふふ、」
敬語だったり敬語じゃなかったり、面白いなぁこの子。育てがいがあるねぇ。
「それじゃ、今後についてはなすよ。」
あたしはふんぞり返っていた体を前にもってきてにこり、と笑う。
メロンはぼけーっとしていたけどすぐに頷いた。
「あたしは一週間で居なくなる。それまでにあんたを一人でも平気に生きてけるようにしなきゃなんだよねぇ。ま、少ししたらあたしも戻るし、こいつもいるだろうから安心してていいんだけど。」
こいつ、と言うところでコーヒーを飲む奴を見る。そいつは気づいて眉を寄せた。
「なんだよ、」
「襲うなよ。」
「誰が襲うか、このチンチクリン。」
「……」
あたしははぁ、とため息をはきながらメロンに向き直る。そして「一応気をつけろよ、」とメロンに注意を促した。
メロンは「はい」と言って素直に頷いた。聞き分けのいい子だ。
「それで、だ。メロンはまず、恐怖を無くさなくちゃならないのねー。」
「…恐怖?」
メロンがコテン、と首を傾げた。
そう、‘恐怖’だ。