闇華
光
草原を歩くあたしと―…
「あ、あんた名前なんだっけ?」
「え?あ、ヴィスといいます。」
「へー、ボスにでもつけてもらったの?」
どうもこいつからはメロンとおんなじ匂いがするんだよね。要は光からきた闇堕ちした奴ってことかなぁ。
「…そうですね。闇堕ちしたので。」
「…ふーん、あんた悪い奴には見えないもんねえ。」
あたしがそう言うとヴィスは綺麗な切れのある眉を寄せた。そのせいで眉と眉の間に僅かにしわができる。
「残念ですが私は残忍な男です。」
自嘲した笑みを浮かべるヴィス。なんか癪にさわることゆったかなあ?
「そ、部下からなんか連絡来ないの?」
「今のところは。もう少ししたら見つかると思います。」
「じゃあ、どっかで遊ぼっか?残忍ヴィスくん。」
ふふ、と笑うとヴィスもつられて笑った。
月に照らされたヴィスの笑顔は綺麗だった。まあ、綺麗すぎて…不気味だけど。