闇華
「―…綺麗な髪飾りだねぇ?」
あたしがニコリと笑うと少女はびくりと肩を揺らした。
あーあ、怯えちゃって。
「あ、あなたは…誰ですの?」
焦りながらあたしと必死に目を合わせようとする少女はかわいい。まるで、小動物みたいだ。
「んー、そんなにおびえなくていいのに。あたしの名前はアルミス。君たちがいる世界では、そうだねぇ。死に神ってのが一番合うかな?」
少女は「えっ?」というとすぐさま顔色を変えた。
どっちかというと、青ざめたって言うのとは違う…そうだな、助けてっていう方かなぁ?
「あ、あの!私を…私を連れて行ってください!どこでも良いのです!この国ではない…遠いところへ……!」
必死だなあ。
だからこんな所にいたのかな?
こんな、沢山の闇が紛れ込んでいそうな場所に。
あたしはくすり、笑みを零した。