闇華





「…………………ここ、どこ…」





薄暗い部屋に女性の落ち着いた声が響く。そして、あたりを見渡して目を丸くした。落ち着いた声に焦りが含まれた。


「あなたたちは…」

「こんにちわぁ、遠路はるばるやってきましたアルミスですぅ」

「………」

「ヴィスも自己紹介しないとー」

「……ヴィスだ」


クールに決めるなあヴィス。

「……ノイズ、です」


ほほう、この子ノイズって言うんだ。ノイズねぇ。何かしら意味がありそうだけど、今はどうでもいいかぁ。


「ね、ノイズってお姫様でしょー?なんで街なんか一人で歩いてたの?危険じゃん。」


ノイズは眉をひそめる。いきなり直球過ぎたかなあ。でもまあ、時間もないんだし。しょうがないよねぇ。



「街に、異変を感じたから、外へ。その異変……あなたたちから感じる。」



すごいねぇ。さすが一国のお姫様。しかし、あたしたちから異変って…あたしたちは隠してるんだから、わかるはずがない。近くにいたらわかるだろうけど、遠くからはわからない。つまり、誰かが気配もなにも隠さずこの国に足を踏み入れたってことになるねぇ。



「お姫様、ざーんねん。あたしたちは至って温厚だから、なにも起こしはしないよ。だから違う奴が紛れ込んだんだよ。」



「………そう、なのですか。」


若干あたしたちを警戒しているのか、ノイズは眉間のシワを濃くした。



「さて、もう一つ質問いいかな?」






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