闇華
「だ、誰…?」
聞き覚えのある笑い声に少し安心するけれどすぐに不安になる。
違う人だったらどうしようとか、闇の人間だったらどうしようとか…。
まあ、悩んでも仕方がないのでとりあえず城へ向かう。
途中でアルミスさんの声が聞こえた。
「ポジティブだねぇ。」
「え?アルミスさん?」
アルミスさんの声は、あたしの心まで分かっているようで―…背筋がぶるりと震えた。
「アルミス、さん?」
アルミスさんだと思われた声はもう、聞こえなくなっていて。
闇に近い静けさが風となって、あたしの周りを行き来した。