‐hide‐ハイド
◇◇
「受かった!!」
「同じく!!」
そんな合格を喜ぶ声を聞きながら掲示板の前に立つ。
ドキドキ…
やばい心臓が口から飛び出そう…。
やっぱり誰かについてきてもらえばよかったよ~。
深呼吸して掲示板に目を向ける。
「5238…」
上から順番に数字を辿る。
1つ1つ…
気が遠くなるような感覚に襲われる。
受験票を握る私の手は汗でじんわりと湿っているのに、指先は氷のように冷たい。
…5232
5237…
…5238
【5238】
「あ…あった!!」
やった…!!
受かってる!!
浮かれながら家に帰ると家族からの祝福が私を待っていた。
ちなみに私の大好きな物で夕食は揃えられていた。
…受かってよかったよ。
泣きながら食べたくないしね。