‐hide‐ハイド
突然片方が切れたように叫び、すぐに乾いた音が響いた。
近くの柱に隠れ様子を伺う。
(嘘…!)
大勢に囲まれた人が一瞬見えた。
「福島さん…?」
間違いなく彼女だ。
彼女は抵抗もせず殴られ、蹴られ続けていた。
足がガクガク震えてそこに立っていられなくて座り込んだ。
助けなきゃ…。
そう思うのに足がすくんで動けない。
こんな自分が嫌になる…。
でも、どうして福島さんは殴られてるの?
彼女が何かしたとは、どうしても思えなかった。