‐hide‐ハイド
「央…?」
恐る恐る名前を呼んでみる。
「…」
「よーう!」
「…」
「…分かった、分かりましたよ!!!」
返事も返さず、ずっと無言の圧力をかけてくる央に私は遂に負けてしまった。
…せっかく良い感じだったのに。
心の中で愚痴りながら泣く泣くスカートを元に戻す。
「戻しましたーこれで良いですか!?」
今度は私が不機嫌になって言うと央は満足と言った笑顔になった。
…ま、いっか。
朝から爽やかな笑顔見れたし。
昔からたまに見せる央の笑顔に弱かった。
憎めないんだよね~。
「…琳。母さんたち待ってるし行くぞ」
「あっ…待って」
言ってから歩き出した央を追い掛けて央の家の車に乗り込む。
うちの車は軽自動車だから2家族入らないから。
「もう…遅刻したらどうするのよ?」
乗り込んだ直ぐに母親から文句を言われる。