‐hide‐ハイド

汐に届いたのか、たちどまって、振り返らず言う。






「…幸せになってね」


それは本当に小さな言葉。





きっとユイトさんには聞こえてなかった。





また歩きだす汐を私は追い掛ける。





男子にはメールをした。



先に帰ってと。

了解というメールが届いたのを確認して汐の隣に行き、頭を撫でた。





「…っ、琳…私、笑えてたよね?惟斗に酷いこと言っちゃった…」



「えらかったね、汐。酷くなんてないよ」





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