‐hide‐ハイド

「琳…熱でもある…」




そう言って私のおでこに手を延ばす彼女。




―バシッ




その手を叩いた。




「…琳?」


「いい加減うざいんだけど、ほっといて」






あぁ、私は最低だ。


冷たい目で睨む。





みるみるうちに目に涙をためる汐。





ひどく、胸が痛んだ。




「…ごめ、なさい」



そう言って走りだす汐。



…ごめんね。




私が悪いんだ。


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