‐hide‐ハイド

私も駆け出す。




汐とは逆の方向に。



痛む胸をかかえて。


ドン




誰かにぶつかる。





気にせず、そのまま走り続けようとしたが、敵わなかった。




「琳!!」


「ら、い…?」


「なんで、泣いてるんだよ!?」



「ほっといて!!!徠には関係な…」





言葉を続けられなかった。




だって、徠が力いっぱい私を抱きしめたから。




「ほっとけねぇよ。話してくれ…」


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