‐hide‐ハイド

「…琳?」



隣から聞こえた声。


「あ、起きた?」


「私…寝てたんだ…」




汐が言う。




私達はずっとここにいたから、暇で寝てしまったんだろう。





町には行けない。



華やかすぎる町は私達を受け入れてはくれないから。




例え、入っても…惨めなだけだ。





汐の視線が、ある場所で止まる。





そこには1組のカップルが、ペアリングを交換して、幸せそうに笑っていた。



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