‐hide‐ハイド

パチ…パチパチ…



見ていた周りの生徒達から拍手が起こる。



「すげー!!」

「カッコイイー」


「最高ー」





拍手に紛れて色んな言葉が飛んでくる。



「どーもっす」



手をあげて笑顔で少し得意気に答えた。


まるで有名人になった気分だ。





「…オイ」


そんな風に有名人気分に浸っていると後ろから低い抑えた声が聞こえた。



見なくても誰かなんて分かる。







ゆっくりと睨み付けるように振り返る。


「何?…もっかい投げられたいの?」






相手も私を睨んでいた。






バッ…


「悪かった!!本当にすまねぇ!」



その睨み合いが暫く続いていたが、いきなり効果音が聞こえそうなくらい勢いよく頭を下げられた。

< 90 / 401 >

この作品をシェア

pagetop