‐hide‐ハイド
笑った顔は少し幼い感じで可愛いかった。
みんなに恐れられて、1人で寂しかったのかもね…。
「じゃあ、これからよろしくね!!えっと…」
そういえば名前知らないや…。
「真田 徠(サナダ ライ)だよ!」
私が名前を知らないことを感じとったのか、名前を教えてくれた。
「真田君ね?」
「徠だよ!」
「徠く…」
「ら・い!!」
「ん…分かった。徠ね…?」
どうやら君付けされるのは嫌いらしい…。
私が呼び捨てで名を呼ぶと、満足気に頷いた。
そしてガッチリと握手を交わした。
「あの…ところで貴女の名前は?」
さっきのリーダー的女の子がおずおずと名前を尋ねてきた。
「私は…」
ガラッ!!
「席つけーH・R始めるぞー!」
………。
私の声は乱暴にドアを開けた音と、先生の大きな声によって遮られた。
…またですか?
みんな私の声を遮って楽しいですか?
生徒は蛛の子を散らすように素早く自分の席に戻っていった。
私もとぼとぼと席についた。