片思いの空
「…ごめん」



「…ぅっ…ぅぅ…」



あぁ、早く帰りたい
上辺だけの好き

そんなことを言われても正直困る



「…ほんとにごめん」



俺がそう言うと、泣きながら走って階段をおりて行った



放課後の屋上


すごく夕日が綺麗


ここから飛び降りたら…俺は楽になれる?


みんなは喜ぶ?



ガチャッ



無意識にフェンスを握りしめていた





「よっ!!」



その声で我にかえった


振り向くと知らない女の人リボンの色で3年だとわかった



「さっきさぁ、泣いてる女の子とすれ違ったんだけど…」



あぁ、この人も同類か…

俺を"最低"だと言うのかな?



「あなたには関係ありません…」



俺は、その人を突き放した



それなのに、女の人は笑っていた




「君、大丈夫?」




思わず顔をあげた



優しいオレンジ色の光に包まれた
優しい笑顔




それを見た瞬間
なぜだか涙が溢れた
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