片思いの空
その人は何も言わず、ずっと隣にいてくれた




それが言葉には言い表せないほど嬉しかった





"大丈夫?"
初めての言葉


この人は俺の味方…?








「泣き止んだ?」



その言葉がかけられたころ夕日は沈みかけていた




俺達は近くの公園に移動してベンチに座った



「わたしは亜美…名前は?」



「優介…」




「あー…ふーん、君さぁ噂になってるよ」



「うん、知ってる」



そういうと少し驚いた表情になったが、何かを察したみたいだった




「言いたいことは言ったほうがいいよ…

辛い時は屋上きな」




「……うん」



とても驚いた
俺にそんなこと言う人間なんて誰もいなかったから


初めてできた友達…?
友達と思っていいのだろうか?


信じていいの?






その日から毎日放課後は屋上へ行った



亜美も毎日屋上へ来ていた

意味なんてない何気ない会話



それがとても新鮮で
群れる人達をなんとなく理解できた
< 39 / 52 >

この作品をシェア

pagetop