片思いの空
「うっ…うん」


入り口の前に立っている優介を見ただけで

顔が一気に熱くなる
最初からこの調子じゃあ思いやられるよ






「優介君、遅くなってごめんね?」




「全然、俺も今終わったとこだから」



そう言って微笑んでくれた




やばい…鼻血でそうだよ…


優介君の隣に居る
ただそれだけで、周りの視線なんて無視できた






「おーい、さや!!」



この声…



「和馬、どうしたの?」




「お前ら二人でどこ行くわけ?」


不思議そうな、睨みつけるような視線


和馬じゃないみたい



「ん?球技大会の買い物だよ」




「ふーん……」



和馬?




「じゃあ俺も行く」




『は?』



わたしと優介君の声はピッタリ重なった




「俺も行く」




和馬は一度言い出したら絶対に曲げない


幼なじみだからわたしはよく知っている






「…えっと、でもさ」



わたしが言いかけたときだった
< 45 / 52 >

この作品をシェア

pagetop