片思いの空
「俺達が頼まれたことだから」



優介君がきっぱりと言い放った




ナイス!!



「買い出しなら人数多いほうがいいだろ?」





…よくない
絶対よくないから




和馬を軽く睨みつける

一瞬目が合ったはずなのに和馬には効き目はないみたい





「二人で十分だけど?」


優介君は一歩も引かない




「何?そんなに俺に来てほしくない理由でもあんの?」



あるよ
せっかく優介君とのお出かけ

ただの買い出しかもしれないけど…

だけど最初で最後かもしれないから



だからお願い
和馬来ないで…









そう言えたら楽なのに…


この気持ちは気づかれちゃいけない





「…」


わたしは無言で和馬を見た



「優介、どうなの?」


和馬は優介君を追い詰めるように言った



優介君も無表情で和馬を見ていた


その表情はどこか悲しげ…



「優介君、わたしはいいよ」



こうなったら仕方ない



「じゃあ決まりな!!」



勝ち誇ったような和馬


空気読めないやつめ
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